絶滅危惧種に指定されたニホンウナギの生態などについて調べてみました。

グルメ

土用の丑の日」といえばスタミナ料理の代表、「うなぎ」ですよね。

私達日本人の身近な食べ物として昔から親しみのある「うなぎ」ですが、最近ニュースで「絶滅危惧種」に指定されたことが話題になっています。

スイスに本部があるIUCN(国際自然保護連合)のレッドリスト改訂版に掲載されました。

IUCNは、ニホンウナギを3段階ある「絶滅危惧種」の中でも2番目に高い「近い将来における野生での絶滅の危険性が高い種」と発表したんですね。

近年、河川や湖沼などウナギの住めるような環境が失われたこと、ダムなどの建設が増えたことで、川と海とを行き来するニホンウナギの回遊が妨害されたことや乱獲がウナギが減少した理由として挙げられています。

世界のウナギの70~80%を消費しているといわれる日本は責任重大と言えますね。

実は最近まで、ニホンウナギの生態は謎だらけでした。

分類としてはウナギ目・ウナギ亜目・ウナギ科・ウナギ属です。

「ウナギ」と「ニホンウナギ」は、同じものを指します。

これは中国産などと識別するために、近年、呼び名を「ニホンウナギ」と変更したんですね。

ニホンウナギは、養殖ウナギもすべて天然のシラスウナギを捕獲して育てたものを言います。

一番の謎とされていた、産卵場所が近年の研究でわかってきました。

太平洋の西マリアナ海溝近くで卵を産んで、レプトケファルス幼生(葉型幼生)と呼ばれる生後間もない幼生は海流にのって長距離を運ばれるのに適しています。

黒潮に乗って日本や中国、韓国、台湾付近まで運ばれて来る間、要するに生後3~4カ月で透明なウナギの稚魚、いわゆるシラスウナギに変態します。

ウナギ稚魚の国内漁獲量は50年ぐらい前は年200トン以上あったそうですが、2012年までの3年間、年3~6トンと過去最低水準が続いて13年はさらに減少していました。

しかし、今年は漁獲量が数年ぶりに増えたと報道されたのですが、驚くほどのプラスでは無かったようです。

都内のウナギ専門店でも、仕入れ値は安くはなってないと言っていました。

稚魚の漁獲量なので、食べれるまでに成長して値段にはね返るのには数年掛かりそうですね。

私が、20年ほど前にスペインに行った時、「アンギラスピルピル」とい「ウナギの稚魚オリーブオイル炒め」が美味しかったのですが、もうあんな贅沢料理は食べることが出来ないでしょうね。

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どうしてウナギが昔からスタミナ料理として人気なのか?

良く、比べられるものに「アナゴ」がありますよね。

アナゴはアナゴ科で、一生を海で過ごしますが、ウナギは海と川を回遊します。

でも中身は何が違うのでしょう?

それは、カロリー的なエネルギーが10~20倍、ビタミン群は2~7倍ほど、脂質は2倍ほどウナギの方が栄養価が高いんですね。

脂質が少ない分、アナゴはウナギに比べ、食感もさっぱりしています。

これは並べて食べ比べないとわからないかもしれませんね。

ダイエットには、アナゴが良さそうです。

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ウナギは夜行性で昼間は砂泥の中や水中の狭い場所や、岩の陰や石の隙間に身を潜めて夜間になると餌を探しに行動します。

雨の日などには地上をはって移動することもあり、その行動は本当にパワフルで、壁まで登ることもあるそうです。

まさに「ウナギ登り」で、好調の代名詞にもなっていますよね。

肉食性で昆虫やエビ、カニなどの甲殻類、小魚などを食べますが、数ヶ月はエサが無くても生き続けることができると言われます。

また、水中から出すとすぐに死んでしまう魚とは違い、数日は生きています。

このらの生命力やパワーとスタミナから人気があるんでしょうね。

まあ。一番は「美味しさ」なのでしょうけど。

絶滅危惧種に指定されたからといって、漁獲量に規制は無いそうですが、慎重に獲らなければ本当に天然モノは絶滅してしまうでしょうね。

農林水産省の水産総合研究センター養殖研究所が100%人工のウナギの研究を進めています。

人工的に稚魚(シラスウナギ)に変態するまで育てることに成功したと発表しています。

稚魚を人工的に生産することができれば、不安定な天然資源に頼らずにウナギを気軽に口にする日もそう遠くはなさそうです。

この研究に期待しましょう!

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