日本は高齢化が進むにつれて、マッサージ器産業も活発になってきました。
先日、「埼玉県の電機メーカーが製造した足裏用のマッサージ器を首元に当てて使っていた女性が、衣服を巻き込まれて窒息死する」という事故がありました。
24年前に生産が中止されている機種ですが約42万台が製造され、過去にも4件同じような死亡事故が起きているそうです。
昔のモノには「安全装置」がまだついてなかったようです。
「安全装置」とは、一定以上の圧力がかかると自動で停止したりする仕組みですね。
正しい使用方法を守れば、危険も無くなると思いますが、気持ちが良いと用途を替えて違う部位にも使いたくなってしまいます。
そこに、危険は潜んでいます
ふくらはぎや肩こり腰痛用のマッサージ器を他の部位にも使いたい気持ちは分かりますが、それはやってはいけません。
人間の身体というのは、お分かりのように頑丈なところとそうでないところがあります。
首、肩、腰、ふくらはぎ、足の裏はそれぞれ同じ硬さや筋肉量ではありません。
各部位に合わせて作られていますので、それ以外の場所の使用は出来ないと考えるべきでしょう。
先の事故も足裏用のモノを、首にカバーを掛けずにむき出しのまま使っていて衣服が巻き込まれてたのです。
カバー一つでさえ、目的があって作られていますので、使用する前に一度は説明書に目を通しておきたいですね。
「健康」を勘違いしてはいけません
様々な「かゆいところに手が届く」的なマッサージ器もどんどん開発されています。
ここで確認して欲しいことは、マッサージ器の目的です。
「治療」というよりは、「癒やし」です。
「気持ちいい」とか「楽」になるためのものです。
日本人の間違った習慣の一つに、「荒治療」がありますが、痛くても我慢してまで使用するのは絶対NGです。
「激痛に耐えれば、治る」ということは、マッサージ器にはありません。
それは、「治療器具」であっても同じです。
多少の痛みがあっても、すぐに緩和する程度の痛みなら問題ありませんが、「始めから終わりまで激痛でないと、やった気がしない」という間違った習慣は捨てましょう。
余談ですが、10数年前に私がマッサージ店でアルバイトをしていた時のことです。
オーナーがマッサージが好きで、毎日従業員にやらせていました。
もちろん、その分の給料は払ってです。
私も数回、施術したのですが、日に日に背中が硬くなっていくのがわかりました。
やる度に「もっと強く」と言うようになり、私が辞める最後の頃になると、「亀の甲羅」のような背中になっていました。
辞めて数週間後、それが原因かどうかは分かりませんが、亡くなったと聞いた時には、「マッサージのやり過ぎでは?」と思ったぐらいです。
いくつかの注意点
マッサージ器を使用する上で、知っておいて欲しいことがいくつかあります。
・食後すぐはNG(胃に血液が行かず全身に巡るため、消化不良を起こしかねない)
・マッサージ直後の飲酒(血行が促進されてますので、注意が必要です)
・妊娠初期はNG(大切な時期に母体への施術は危険です、安定期になれば、足つぼぐらいは問題ありません)
・終わったら、人肌ぐらいの、白湯かお茶を飲む(老廃物を体外に排出するため)
これらを守って正しく使えば、血行を良くし老廃物を促し、体質改善に役立ちますので、人にやってもらうマッサージ店で施術する場合でも同じだと覚えておいて下さいね。
健康になろうとして、身体を悪くしたり、ましてや死んでしまったら元も子もありませんからね。
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