日本でiPS細胞を使った、70代の女性で加齢黄斑変性患者への世界初の手術が行われましたね。
新聞にも大きく取り上げられていました。
また、一つ医療の進歩になったことを、私も喜んではいますが、単純に喜んでばかりもいられないかもしれません。
どうしてかというと、院長が「iPS細胞の安全性を確認するのが主目的」と言ったいうことが書かれているみたいなんです。
また、執刀医も「1年が経過してガン化していなければ」とも言ってるからなんです。
ざっくり言うと・・・
iPS細胞とは、受精卵を使用せずに作れる「万能細胞」で、患者自身の細胞を培養して作られるので、拒絶反応が起きにくいというものです。
加齢黄斑変性患者とは、高齢者に多い病気で、眼の網膜にある黄斑部が異常を起こす病気。失明の危険性もあります。
失った組織を再生するという「夢の医療」は一歩前には進んでいるように見えますが本当にそうでしょうか?
手術は成功したそうですが、1~2年しないと完全な成功とは言えないように思えるからなんです。
なんでも世界初の移植手術というのは、「実験」という枠を超えることはできないと思うんですね。
もちろん人間に使う以上は、たくさんのいろんな研究と実験を繰り返してきていると思うんですが、なにせ、「初めて人に行う」ということは、100%はないということと解釈されても仕方が無いと思います。
それを行う側も、いろんな労力と費用を掛けての「初」ということで、リスクはかなりあると思います。
執刀医も、かなりのプレッシャーだったと言っていますから。
どんな、実験をたくさんしても、それは「実験」でしか無く、初めて人に施す時も、「実験」ではないにせよ、どうなるのかは分かりません。
今のところ、経過は順調のようですが、「70代女性」と聞くと、どうしても「もし若い人で失敗したら、その後の人生が大きく変わってしまう」と言う事を回避しているようにも感じてしまうのは、私だけではないかもしれませんね。
私としても、画期的な医学の進歩になる訳だし、本当の「成功」を手にして欲しいと思ってる1人ということも付け加えときますね!
このiPS細胞を使う手術がもっと、手軽と言っては失礼かもしれませんが、もっとポピュラーになってくれれば、諦めていた病から生還できる患者も増えてくると思うので、臨床を増やして欲しいと思います。
ただ、費用も相当なもののようです。
細胞を培養できる部屋の維持費で、数千万は掛かるというから、手軽と言えるには数十年は掛かりそうです。
いま、アフリカで問題になっている「エボラ出血熱」もそうですが、WHOが完全な認可をしてなくても、良好な実験結果があれば、新しいワクチンを使わざるを得ないという状況も出てきます。
「人体実験」という意味では、移植もワクチンの使用も同じことで、誰かがどこかで初めないとどうしようもないと思っています。
まだまだ、未知の病気やウイルスなどが地球上にはたくさんいます。
人類が永遠に立ち向かっていかなければならないミッションなので、成功を重ねていって欲しいと思います。